デジカメで、オールドレンズを楽しむなら、マウントアダプターは欠かせません。純正品や、日本製の高品質なものなら問題なく使えることが多いでしょうが、時にレンズよりもアダプターが高価になってしまうことも。
と、なると、価格のお手頃な海外製も視野に入ってくるわけですが、今度は精度がイマイチだったりすることも。今回は、そんな「イマイチ」を思い切りで乗り越えた記録です。
ドイツのレンズメーカー、Schneider-kreuznach(シュナイダー・クロイツナッハ)のシネレンズを集めています。マウントはArriflex(アリフレックス)で、「Arriflex Cine-Xenon」や「Arriflex Xenon」とレンズに刻印されているモデルですね。
中心解像度が高く、個人的にはものすごく色気を感じる写りがあって、とっても気に入っているレンズです。
レンズをeBayに張り付いてチェックする日々の中で、メルカリにお値打ちで出品されていた中国メーカー、KIPONのArriflex→富士フイルム(Xマウント)アダプタを買ってみたのですが、これがどうにもレンズがハマらない。簡単にスポンと抜けてしまうのです。
Arriflex Cine-Xenonは本体に差込口のようなものがあり、アダプタにはそこに適合する金属板があるのですが、KIPONのアダプターはこの金属板の幅が広いようです。別メーカーのアダプターはすんなり収まったので、もしかすると個体差か、あるいはレンズとの相性かもしれませんが。
ただ、問題はその金属板だけですから、どうにかできないかと勘案し、所詮は金属ですし削ればいいだろうと判断。使えないままなら仕方ないですし、メルカリで買った中古品ですから、思い切って加工してみました。
秋葉原のホビーショップ「TamTam」で、税抜184円の「クラフトヤスリ 平」を購入。金属が削れればさしたる精度は不要だろうと、安いヤスリにしました。ホビー趣味があって他にも使う余地があるならダイヤモンドヤスリとかの高いやつなら、なお結構かと思います。
クラフトヤスリで、金属板を根気よく削っていきます。ただ、買ってきたヤスリでは少し幅が広すぎ、余計なところにも当たってしまって本体にも傷が付いたり、塗装の剥がれが起きたり……美観を重んじるなら、やはりもっと細い棒状のヤスリあたりが向いていそうです。
削って、試して、削って、試して、と微調整を重ねて、ものの15分くらいでしょうか。ぴったりハマる手応えがあり、無事にマウントアダプターとして使えるようになりました。よかった。
KIPONのArriflexマウントアダプター使えない!と転がしてある方の参考になりますように。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。編集者・ライター。「生活技巧」発行者。