2019年11月30日(土) 超V字回復
短期的思考と長期的思考について、思っていた。もしかすると、超短期と超長期もあるかもしれないけれど、一口に「思考」といっても時間軸が違っていて、それは単に考えを深める時間だけでなく、見ている時間の長さも違うのだろう。
思考も細かく分かれてそうで、僕は短期的思考しか磨いてこなかったんだろうと思う。短期的なことには割と頭が働くが(短期的な記憶はできるが、すぐに忘れる)、長いものであったり、広いものであったりは、あまり得意としていないような感じがある。
でも、今必要なのは長期的思考だ。長く、深く、自分の力で考え続けること。それができる人は、自分のうちから生まれてくる言葉で、相手の価値観にも何かを打ち込めるんだ。きっと。
戸田真琴さんの初監督映画『永遠が通り過ぎていく』の試写会にお招きいただき、都内某所へ観に行く。うれしい。すごく楽しみにしていた。
戸田真琴、初の映画監督作品『永遠が通り過ぎていく』への想いを吐露 – KAI-YOU.net
短編3本で構成された映画は、構図含めて、どこを切り取っても額に入れたいくらいに良い画が多くて、そのすてきさに目を奪われていた。僕は、2本目の『Blue Through』の後半から、自分と重ね合わせる言葉や感情も多く、涙が止まらなくなってしまった。続く『M』は、大森靖子さんの同名曲のMVとして位置づけられていたが、久しぶりに聞いた大森靖子さんの声も心に刺さって、ますます涙が出た。
会の後で、戸田真琴さんと久しぶりに、少しだけ会話をする。戸田さんはKAI-YOU.netでのコラムを経て、今ではますます活躍の場所を広げていて、文章もどんどん羽ばたいている。初めて、戸田さんからの連載第1回目の初稿を受け取ったときの魂の震えは、未だにはっきり思い出せる。そんな書き手に出会えることは、編集者の幸運だといえるはずだ。
戸田真琴さんから「長谷川さんは特別だったんですね」というようなことを、言ってもらえる。彼女への原稿への向き合い方含め、僕の仕事は、彼女にとって良い出会いの一つだったらしい。こんな嬉しい言葉があるだろうか。編集者としても、ひとりの文章書きとしても、敬愛する書き手から言葉としてもらえた、この至福に出会えることなんて、なかなかない。
気づくと、ここしばらくの、ぼんやりとした空虚さが、さぁっと晴れるようだった。僕に足りなかったのは、自分のことを認め、許してあげられる、この小さな喜びだったのだろう。
11月の終わりに、僕は回復した。わずかに、でもはっきりと。
2019年11月29日(金) サウナは偉大
精神の不安定が、なかなかにひどい感じになっている。何をしたものか、何もやる気が出ないような感覚で、まったくぼんやりしている。近いものは空虚感。何のために自分はいるのか。
どうにか生き延び、午後一で池袋に新しくできるサウナ施設「かるまる」のプレオープンイベントに当選したので赴く。サウナも水風呂も外気浴も最高で、ばっちりととのう。精神の不安定に、だいぶ均衡が取れる。サウナは偉大だ……。
その後は、取材で、ちょっと遠出。サウナのおかげで乗り切れる。以前からお世話になっていることなので、最後のあたりに「最近どうもしんどいです」と吐露してしまう。実は取材相手も虚無感というか、手が止まってしまうような近しい状況になったことがあるらしかった。
「ちょこちょこと、がんばらずにベットできることを増やして、ある日、大きく育つものを見つけるくらいの気持ちでいるといい」
そんなふうにアドバイスをもらい、「がんばらない」がキーワードだなぁ、と嬉しくなる。なんだか、何かできそうになる。ちょこちょこと、ベットしていきたい。
夜は、Tさんとの月に一度の定例飲み会。今夜は我が家で宅飲み。宅飲み、ほんと楽だし、美味しいし、気楽でよい。「パブリックとプライベートの関係をネットがあやふやにしている」という話が実に面白かった。深めたい。
2019年11月28日(木) 怒りの取り扱い
朝から取材で鎌倉へ。なんと、取材場所が女子高で、心なしか、そわそわと電車に乗る。いかがわしい感じではなくて、本来は踏み入れられない場所へ入っていくという緊張がすごい。取材の内容はごく真面目なもので、その間はまったく感じている余地もなかった。
学校から出ると、小ぶりだった雨が強くなっていた。目の前を、ちいさな折りたたみ傘を相合い傘にして、走っていくふたりの女子高生とすれちがった。あんな小さな空間をふたりで使えることも驚きだけど、きゃあきゃあと声をあげる姿に、自分に遠くへいることの確かさを感じる。黒いコートの前をきつく閉じて、足早に去った。
夜は、朝日新聞社のメディア「withnews」の5周年イベントにお招きいただき、顔を出す。会場にポケットWiFiの電波が全然入らず、悲しい気持ちになりつつ、速度制限のかかったiPhoneでぽちぽちとツイートしていた。
ゲストは、のんさん。初めて生で見るのんさんは、歩いているだけで雰囲気のある人だ。ほのかに橙に色づいた空気がゆっくり後をついていくような。
のんさんの話を聞いていて、僕はこれまでほんとうに、怒りを除け者にしてきたんだなと思った怒ったって仕方ないじゃん、と思ってきた。でも、それで、うまくいかないこともあるんだ。
怒りのコントロールが効かなくなることに恐れるのと、怒りを扱えないのは、まったくの別物だ。僕はもう少し、きっと怒ったほうがいい。
2019年11月27日(水) 丸の内は雨
昼に、丸の内の某社へ取材で訪れたのですが、目の前を歩いていた、ちょっと髪色明るい若めのOL三人組が、通りすがりの海外の方に英語で質問されても余裕で打ち返してて、教養ってやつの大切さをあらためて感じるなど。そう、ここは丸の内。一流企業がひしめく街……。
お話を聞いた相手も、親御さんだったら子どもの入社を喜ぶであろう大企業で、この仕事をしていなかったら一生に縁がなかったんだろうなぁ、と思いつつ楽しんできました。でも、やっぱりみんな人間には変わりなくて、悩みもレベル感はあれど共通性もあるもので、この人たちが全部クリアになって全力で走り始めたら、やっぱりすごいんだろうなって思っていました。
お話を聞いた方が、たいそうに落ち着いて、役職付きの出来るビジネスパーソン!って感じだったので、てっきり15歳くらい上かと思ったら、ぜんぜんそんなことなく。8歳ほどしか変わらず。自分の8年後、これいけるか?もっとちゃんと頑張らないとだめじゃん?って凹む次第。
丸の内の企業に勤めることは、きっと今後の私の人生にも起きないのでしょうけれど、そのアプローチでないところから、なにかできることを成していきたいな、とも感じていました。あと僕はもう少しばかり親を安心させなければいかんだろ、とも。
ツイートで流れてくるまで恥ずかしながら知らなかったのですが、日本のドイツ語教育の泰斗であられる関口存男さんという方がいらっしゃって、この方の言葉が実によい。
哲学者の國分功一郎さんが、関口さんの推薦文を書いてらして、そこにこの言葉が出てくる。
その私が座右の銘としているのが、関口先生のこの言葉である。「世間が面白くない時は勉強にかぎる。失業の救済はどうするか知らないが個人の救済は勉強だ」。この言葉は全六巻の大著『独逸語大講座』の最終巻(『関口存男著作集ドイツ語学篇7』200頁)に記されている。同書は一九三一年(昭和六年)の刊行である。
https://www.sanshusha.co.jp/sekiguchi/
國分さんよれば、失業の救済は昭和恐慌を指しているようだ。なに、いまは令和恐慌とはいわないけれど、全体を不安感が漂っている。第四次産業革命が起き、これから10年、20年の社会の激変を前に、まさにこの「個人の救済は勉強だ」が、またしても喫緊の課題に上がっているよう。
ここのところ、さまざまにインタビューで伺う話としても、非常に合致してくる。年末あたりに何かしら文章としてまとめたいのだけれど、叶うかどうか。1月6日という三が日明けにどでかい〆切がひとつあるので、無理かもしれない、けれど。
2019年11月26日(火) 寒冷地仕様
坂本真綾さんの楽曲がサブスクで解禁になって、YouTube Musicにも入ってきていて、めちゃくちゃ嬉しい。大学生から社会人3年目くらいまでに、よく聞いていたのを思い出す。
寒すぎて死ぬ、と思っていたら、日曜日に酒の勢いを借りて買いまくったアレコレが届き始める。買ったといっても本とか、カメラのレンズとか、そんなものだけれども。で、そのなかのひとつが「北欧、暮らしの道具店」で求めたブランケットだった。
ずっと、スタッフのみなさんのご自宅で目にしてきたし、その品質の良さも知っていたので、ほしいなぁほしいなぁ、と思い続けてきたのだった。えいやっと買って、布団のうえに掛けてみたら段違いに保温力が上がってびっくりした。ホワイトボーダーかわいいよう。
ぬくぬくから抜け出せずに困りつつ、がんばって這い出して原稿納品、そして22時から取材。
2019年11月25日(月) 豊かさの定義
朝から稼働して、インタビューを2回。それぞれ頭の使い所がちがうけど、話のつながりがあったりして面白い。「現代の豊かさとは、自分の選択肢を自ら増やせること」といった定義は、なかなか頭に残る。物質主義から精神主義へ行き、その流れをキャリア論的に当てはめる感じか。
2つ目の取材が終わると、頭と体がぐったり。他人の話を聞き漏らさずに、真面目に、2時間聞くっていうのは、実はなかなか負荷が高いんだよな、と改めて思いつつ、夜の予定までの間に、荻窪「なごみの湯」でじっくりと風呂とサウナ。
露天の武蔵野温泉に浸かりながら、最近の悩みをぼーっと考えてみる。「自分の心を休めて、自分を癒やしてあげられるのは、究極的には自分しかいない」と思い至る。外部にもたくさんある癒やしのメッセージを受け取るのも、選ぶのも自分。現代の豊かさのひとつなのである。
自分の満たされ無さをどうやって解消するかも、結局は自分からその境地に至らなくては……と、なんとも当たり前っぽい考えだけれど、すこし気持ちが落ち着く。こんなふうに一つひとつ考えていかなくてはならないのだ。
風呂から出て、高円寺[魚の四文屋]でMさんと飲む。「郷の深い普通の女が一番面白い」というパワーワードに笑う。発散できない彼女たちから溢れ出てくるリビドーの凄み。
2019年11月24日(日) 現役世代…!
土曜日はずっと仕事をしていて夜中になる。あぁ、もう夜中か、と思って、なんだか酒も飲みたいし、ちょっと変わったこともしたいなぁ、と感じて、久しぶりに夜中まで営業しているメイドバーへ行ってみることにする。
昔、何度か行ったところが外から見ても満席だったので諦め、寒空の下で立っていた女の子に声をかけてみた。全然入れるらしい。ずいぶん大箱の店だった。前方にステージがあって、カラオケができるビジョンも馬鹿みたいにでかい。クラブ利用も考えているんだろうか。
特段何をするわけでもなく、ハイボールを飲みながら、ぼんやりと話す。だいぶ深夜だったし、相手の話しぶりもお疲れだろうから、こちらも変に盛り上げたりすることなく、だらっと話す。「若い子だなー」とは思っていたら、まさかの現役女子高生の年齢の18歳だった(高校を中退しているパターンの18歳…!)。
嘘でも真でもよいのだけれど、まさにAV最速デビュー方式である。秋葉原の夜中で、彼女が立ち働く後ろ姿を見ながら、また酒を飲んだ。
仕事だけしていると全くしゃべらないので、ちょっと1時間とか「口を使う」くらいの気持ちで、メイドバーにぼんやりしにいくのも、まぁ、良いのかもしれない。
2019年11月23日(土) 神経科学
昨日に取材した神経科学の研究者の方のお話が面白すぎ、興味が湧いて『あなたの脳のはなし』という翻訳本も買ったりする。この記事、頑張ろう。
取材中に聞いた話で、たとえば、人間の記憶というのはとても曖昧、というかアバウトにできている面もありながら、「結びつき」を大事にしているそうだ。主には「エピソード記憶」と「感情記憶」があるそうで、この両社は紐付いている。エピソードを思い出し、それに感情が付随するだ。
実施にトラウマを乗り越える、という時の療法で使われることとして、同じようなエピソードを体験する、またはエピソードを思い返し、その時の感情記憶を別の感情で上書きできると、エピソード記憶そのものも変化する。
たとえば、失恋の体験を友達に話すと、みんなが笑ってくれた。つまり、失恋によって湧き起こる悲しみの感情が「笑い」に転化することで、大元のエピソード記憶の扱いも変わる、ということがあり得るわけだ。そこで、別の感情ではなく同調して悲しみを深めたり、愚痴などで「怒り」の感情を足してしまうと、エピソード記憶が余計にややこしくなることもあるらしい。
そう言われると、いろいろと納得することが過去にもあった。「なぜ、つらいことを人に話すのが大事か」が、単に「心」という不明瞭なものを根拠にするだけでなく、脳で起きている仕組みに依拠するのは、納得感があって嬉しい。情緒も大事だけど論理も欲しいものね。
ただ、日本は神経科学の発展度でいうと、まだまだ、だそうだ。東京大学が一番といわれるが、世界で見れば……とのこと。知りたいことへの日本語の限界は悩ましい問題。もっともっと研究されるべき分野だとも思う。頼むぞ国家。
2019年11月22日(金) 温泉効果?
びっくりするほど朝勃ちしてた。温泉すげぇな!
でも実際、血行の都合もあるみたいなので(ちょっとググった)、温泉に入っていたのも無関係ではないであろう。
「朝だち」のメカニズムと意義: 男の始業点検|大東製薬工業株式会社
そう思うと、若い時にちゃんと毎日のように朝勃ちするなり何なりしてたのは、心臓のポンプも元気だったし、酒も少ないし、血行がしっかりしてたってことなのかもなー、と思った。たかが朝勃ちに騒ぐのもどうかと感じつつ、体にまだまだ反応する余地があるということが嬉しかったし、健康についても併せて考えていかないといけなくなったよね、と。
まぁ、とりあえず、またサウナと温泉行こう。今の自分には、これがいちばん効く。
2019年11月21日(木) 湯治
午前中の仕事がバレてしまい、ちょっとのんびり午前を過ごし、午後からはライター仲間のNくんの誘いで、横浜にある「万葉倶楽部」へ。会員特典で入館料がだいぶお値引きされるとのことで、お相伴にあずかる。
ハッキリ言って、めちゃくちゃよかった。湯河原から運んでいるという温泉が、肌の表面にやさしくからまるような感覚で、心地よく浸かっていられる。泉質の違いで、やっぱり居心地って全然違うもんだなぁ、と思いながら、じっくりじっくりと楽しむ。サウナも良好。外気浴もばっちりできる。最近、サウナに入ってなかったのも精神的不調の原因だったか。
風呂上がり、そのまま館内で仕事。妙に捗る。原稿一本納品。その後に、万葉倶楽部を辞してどこかへ飲みに行くつもりが、居心地がよすぎて、万葉倶楽部内の食事処で飲み会まで済ませてしまう。値段は若干お高めだったけれど、モツ煮込みが美味しくて、何杯も食べた。充実。
横浜、というちょっとした移動もいい。小旅行でも効くもんだ。もっと僕は湯治すべきだ。湯治で思い出したけど、AVで「人妻不倫温泉旅行」っていうシチュエーションを考え出した人は、もっと評価されるべきって思った。たぶん人間の短期的快楽がほぼ全て満たせるアレだよな。
夜遅く帰宅して、温泉効果もあって、すぐに就寝。
2019年11月20日(水) 出会いと大人
夜、I夫妻と秋葉原のスシローへ行く。今日開店したばかりで店内盛況。回転寿司は、ひとりでサクサク食べるのもいいけど、やっぱり気の置ける人たちと、気楽にやるのが楽しい。調子に乗って日本酒を飲んでしまう。1号瓶が3本ばかり。その他にもあれこれと。
スシローが生活圏内に出来たのは大きい。飲み会の選択肢にも入るし、アプリから予約もできるし。
来年度から一部お仕事も手伝ってもらうことになり、とりあえず来年まで生き延びようという気持ちになった。それどころか、また再来週に飲もうということになる。ふるさと納税でもらったという良い卵をおすそ分けしてくれるそうだ。
僕は何もせずとも、見知らぬ美味しい卵に出会えるのだから、経験を広げる意味でもめちゃくちゃありがたい。大人になってから出来る友達(もしくは、昔からの友達が大人)は、実はこんなふうに人間に拘らず「出会い」をもたらしてくれるんだろうなぁ、と思ったりする。
精神的には不調なんだけど、こういうきっかけをくれる、自分以外の外側の人を、ちゃんと大事にしたいなぁ、という気持ちもあらためて湧く。
2019年11月19日(火) 余裕と譲り合い
早起きして仕事するつもりが、うっかり寝込んでしまう。最近、端的に言うと精神的に不調気味だ。「頑張る理由」みたいのが、スコーンと抜けてしまったような日々なので、時たまに、お仕事もらえてありがたい気持ちと、いっぱい詰めて仕事している意味が、ちょっとちぐはぐになる。
こんなときはサウナが必要だ。マインドフルネスも、学びを深めて実践しなければ。あるいは、僕は推しが必要だ。このために生きる、みたいな推しがいる。
昼頃まで寝ていると、宅配便が届いて起きる。何か頼んでいたっけなぁ、と思いながら寝ぼけ眼で受け取る。ダンボールの封を開けてみると、全く見に覚えのない黒い箱だった。酔っ払って何かを買った?と思ったが履歴もメールもない。
よくよくみると、宛先が僕の名前ではなかった。女性の名前で、どうやら住所違いなどであるらしい。参った。宅配業者に電話して、謝って引き取りにきてもらう。
玄関先に表れたのは、たしか届けに来たの同じ男性だった(寝ぼけていて覚えてない)。僕は「すみませんねー……」という感じで応対したのだけれど、矢継ぎ早に「お渡しするときに名前を読み上げていたのと、ルームメイトのこともあるのでお渡ししたので云々」と渡した理由を伝えられ、僕は「あぁ、はい…ですよね…」と力なく答える。
ただ、寝ぼけていたから絶対ではないのだけど、サインを求められてするだけして、名前の確認があったのか、ちょっと怪しい。宛先は明らかに違う名前なので、気づくような気もするのだけど、どうだったか。サインも「長谷川」でしている。
いずれにしても、今このタイミングで「誤配が起きたのは貴方のせいです」と伝えたところで物事は前進しないし、ドライブレコーダーみたいに記録があるわけでもないのだから、僕は眠たいので追求はないが、余計なトラブルを呼ぶだけでは……と心配になってしまった。
たぶん忙しいし、疲れているのだと思う。だいたいにおいて、余裕と譲り合いで、無用なことは避けられるはずなのだ。みんな、サウナか温泉に週何度かでも入って、心に余白を作ったほうがいい。
2019年11月18日(月) 野望ってなんですか
夜中に帰宅して、4時間くらい寝て、朝早く始動。遅れている仕事を進める。
今日は盛りだくさん。午前に取材、移動して打ち合わせ、その後に取材、そして打ち合わせ。合間で自宅に戻って食事をサクッと得たり、30分くらい仮眠したり。職住近接、最高である。
気圧がたいへんに低い割になんとかなったのは、とにかく活動的であるしかない状況が続いたからではないかと思う。取材で聞く話も面白いことばかりだったし、打ち合わせも激アツだった。僕は低気圧で駄目になるタイプだけれど、自分でどうにかならないような問題があるのであれば、スケジュール含めて「自分ではどうにかならないような環境」を作り出して、回遊魚みたいにあくせくしているほうが無駄にならないのかもしれない。
無性に、抱きしめられたい、とおもっている。
夜の打ち合わせは、長年お世話になっているTさんとで、本題のほかに脇道に逸れたりしながらファミレスで様々に。ものすごく楽しかった。
「長谷川くんは起業とか向いてないんじゃない?向いてないというか、大きくならなそう」
という指摘は、実はしっくりきたのであった。小器用で、なんとなく「できてしまう」レベルで収まりそうという話だ。経営者の方にお話を聞く度に、ほんのりと感じていたことなので、実に身にしみてわかったりする。この道を考えないのは、悩ましくもある。
なんであんなこと聞いたんだろう。昼の打ち合わせで「今の野望ってあるんですか?」と聞いた。失礼を働いたな、と思ってしまったけれど、すごくズバッとした野望が返ってきた。この仕事が実現したら頑張ろうと感じた。野望を欲しているのは、きっと何よりも僕だ。
2019年11月17日(日) 慌ててネットを引く
日曜日が仕事の捗る日、になってどれくらい経っただろう。こうして何かがずれていく。ボタンの掛け違いに気づかないみたいに。と、思いながら仕事をする。
自宅にネット回線を引かないままいたのだけど、テザリング含めて無頓着な利用を続けていたら、久しぶりに通信容量を間もなく使い切ってしまうことを知る。かなり大型プランにしていたので驚いた。慌ててネットを契約しようと思うも、もろもろの回線工事などの手間が面倒で、結局モバイルWi-FIを契約することに決めた。GMOとくとくBB経由のUQ WiMAX。
価格も手頃だったし、端末代も無料。契約縛りこそあれど、スタートがスムーズだし、何よりすぐ届くので明日以降の心配が減る。計画性のなさを悔やみながら、それでもスピードが出ればこれでも十分。曲がりなりにも都市部に住んでいるメリットが生きますように。
通信制限かかっても、それはそれで何かスローな生活になっていいのかしら、なんて思っていたけれど、まったくそんなことなくて、ただストレス。使わないなら全く使わない暮らしにいかないとだめだ。
久しぶりにエロ漫画読み放題サービスの「Komiflo」のサブスクを再開する。初期よりも拡充っぷりと進化が素晴らしい。そして、新米を炊いて、あまりの美味しさにのけぞる。こうやって、日々の一つひとつを輝かせていくことが今は大事なんだと思う。
8時間仕事をして、4時間寝て、8時間仕事をして、4時間寝て、みたいな過ごし方をしている。日付よりも時間の感覚で動いてしまっている。是正したいが、なんだかうまくいかない。もにゃもにゃとしながら原稿を納品。
2019年11月16日(土) 本をよむ
二日酔いというわけではないけれど、体は重い。人と会ったりする予定がなければ、こんな日はどうしてもベッドに吸い付かれるようになってしまう。
僕は自宅の寝床を心地よく整えたので、とにかく気持ちがいいのだ。コアラ・マットレスに、ノルディックスリープの組み合わせ。どちらも仕事で触って、その良さに魅了されたブランド。南半球と北欧の叡智が、極東の島国で出会う我が家。
本がぽろぽろと届いたので、仕事などをしなければ、と思いつつも開く。川上徹也さんの『川上から始めよ』は、企業活動の成功は一行のコピーで決まるという明確なメッセージで、豊富な事例もあってわかりやすい。脱字を数カ所見つけた。人生にもコピーが必要な気がする。
吉行淳之介が著者で、大宅壮一が監修という『にっぽん再発見』なる古本も届く。シリーズものらしくて、吉行の担当は東京・横浜だった。江戸の火事から始まり、赤線や酒場の話が続くのはお家芸。あとがきを見るに、おそらく吉行淳之介のパートは赤線のあたりがメインで、他のところは別の筆者がいそうな感じを文章から受けた。
今より衛生環境は劣悪で、性病知識も乏しかった時代の、生きることの虚しさや哀しみさえ覚えるような話たちに、しずかに心を冷たくもする。吉原遊女の、死ぬのを待って桶にいれ、お寺の穴に放り込まれることなど、今では想像ができないけれども、たしかに同じ人間だけに、つらい。
「生きるということは、泥にまみれることだ」という一文が出てくる。泥に咲く蓮の花のように、どこでも自分という花を咲かせるのは、思ったよりもむずかしい。心無いメッセージがふいに届く。これも泥のひとつだ。泥にまみれながらでも、生きていくと決めて、進まなければいけない。それでも寒い夜などは、どうにも心が痛む。傷は傷のままで。
2019年11月15日(金) 今日は飲もうの日
事務所で仮眠をとって、原稿を仕上げて、どうにか間に合わせて送る。〆切ウィークはまだまだ続く。綱渡りの日々。できていないこと、見過ごしていることがありそうで、こわい。
だが、この日は心がバテ気味になってきたので、夜くらいチャージしたいなぁ、と思っていると、たまたまメッセージをやり取りしていたSさんが空いているということで、宅飲みする。Sさんが「前から作ってみたかったんだ」というレシピを贈ってくれる。これ、僕も気になってた。
「花椒豚」はビールが恐ろしいほどにすすむので、気軽に家飲みを【山本リコピン】 – メシ通 | ホットペッパーグルメ
豚こま肉を味付けて炒めて、粉にした花椒をたっぷり。想像するだに美味しそうだけれど、想像以上に美味しい。うめーうめーとビールを空けていった。お肉が大きなパックで600gばかり安くなっていたので買ってしまい、レシピの3倍量出来上がる。あと数回は楽しめそう。酒がうまい。
なんだか気持ちが前のめりになってしまって、Sさんを駅まで見送ってから、また別のSさんに連絡をしてみると、ちょうど飲んでいたところだという。新橋方面に繰り出して、銀座あたりで飲むことに。女性がそばにいてくれるお店。
結局、なんでこういうところに来るのかといったら、いい気にさせてくれるのはもちろんなのだけど、単純に「可愛いなぁ」とか「きれいだなぁ」とか思いながら飲むと、暇がなくていいのだなとも思った。何をするわけでもないのだけど、その「何をするわけでもない」感じがいい。それでいて、ちょっとだけ男女間の期待も抱きながら、何もしないという贅沢があるのだ。
さすがに、クラブ通いができるほどの身分ではないれど、その効用は認めざるを得ないところがある。
Sさんのご要望で、シメに[はしご]で、だんだん麺。排骨入り。朝5時までの誘惑。勝てない。
支那麺 はしご 銀座八丁目店 (しなめんはしご) – 新橋/担々麺 [食べログ]
2019年11月14日(木) 挽き肉かさまし
スーパーマーケットは、飽きないエンタメだ。いつもと違う場所を訪れて見るだけで、発見と興奮の連続である。食料品ほど見ていて楽しいものも少ない。あれやこれや、考えると、うれしい気持ちになってくる。一日一度、食料品店で心を躍らせるのは、健康につながるかもしれない。
今日は、鶏の挽き肉がたっぷりはいって半額になっていたので、400gばかり買う。ついでに、レトルトのミートソースを買って、家にあった玉ねぎとニンニクのみじん切りと共に炒めて、かさましを行う。醤油やきび砂糖も足す。味の輪郭がグッと立って正解。砂糖は良い仕事をする。
肉がごろごろしたミートソースが、たっぷり出来上がる。茹でたパスタにかけてよし、ごはんと共に食べてよし。この挽き肉を気楽に使うかさまし、気楽に記事化しておきたいな。
生活技巧も始まって1ヶ月半あまり。やりたいなー、というネタは貯まってきているので、あとは形にしていかないとだ。こればかりは習慣化の力を借りるなどすべき、だろう。
2019年11月13日(水) しゃべるのは好きだ
新しい案件の打ち合わせ。僕としては、すごくありがたいチャレンジの場になりそう。ただ、原稿の〆切が1月6日に定まったので、2020年の正月はそわそわとして過ごすことになるだろう。
夜はイベントに登壇させていただく。
【11/13(水)】モリジュンヤ × 長谷川賢人「編集者・ライターキャリアの未来をともに考える」を開催します|noteイベント情報|note
僕も未来については全然見えていなくて、まさに「考える」という最中。だからこそ、今の段階で考えておいたほうが良さそうなことを、見つめてみることにした。
主に伝えたかったのは「職業から職能へ」という変化に敏感になることだ。もともと編集者やライターをしていて、事業会社へ進んだ知り合いが数名いたので、Facebook Messengerでお話を聞かせていただいた。みんな快く教えてくれてありがたい。それで、誰もが「職業」として転職したのではなく、仕事のなかで磨いた「職能」を武器に、人事などの仕事をしていたのだ。
現場でツイート実況していた西山武志くんのまとめが、たいへんにズバリで助かる。
そういえば、言おういおうと思っていて、忘れていたのがコレだった。ライターはTwitterなんてやらないほうがいい、という。自己ブランディングとか何だとかいう文脈では必要なことはあるだろうけど、往々にして面倒事もこっそり連れてくるのがTwitterだ。
たとえば、原稿が遅れてしまっているときに、不用意にツイートしてしまう。原稿を待っている側からすれば「遅れているのに……」と、もやもやさせる。つい先日も、僕が「待っている」側で、いつもはあまりしないのだけど、名前で検索したらTwitterが出てきて、つらつらと泣き言めいたことがツイートされていた。まぁ、それが許されるのは、作家になってからだろう。
駆け出しの頃こそ、あまりそういうことは、しないほうがいいと僕はおもう。だからこそ、Twitterなんかするくらいなら、勉強したりクオリティを上げたりすることを続けたほうが、いいんじゃないかと思う。それを過剰な言い方にしたのが、上記です。
当日、答えきれなかった質問については、noteでまとめて答えようと思っています。
2019年11月12日(火) 撮影できなかった
撮影込みの取材かと思って、荷物を背負っていったら、カメラマンさんが現場に居た。あれ?と思いつつ待っていると、先方が別に手配していたのだった。新しいレンズ、ひとつ持ってきていたから、試せずにちょっと残念。
この1週間は毎日、まいにち〆切がある。夜は家系ラーメンを[武将屋]で。あとは粛々と難しめの原稿などを続けていた。
2019年11月11日(月) ニュータンタンメン
数日前からメンタルに不調をきたす原因になった事案を、一緒に仕事をしている人たちがカバーしてくれて、だいぶ助かる。久しぶりに心を無にして、パソコンに向かって「作業する」という感じで処理していく。自分は恵まれた人たちとお仕事させていただいてるんだなぁ、という思いをあらためて深める。こんな出来事ばかりあったら、すぐに嫌になってしまうだろうな。
品川で取材を終えて、夜は何か温かい物が食べたいなーと思っていたら、ニュータンタンメンがあったのを思い出した。
元祖ニュータンタンメン本舗 品川店 – 品川/ラーメン [食べログ]
醤油系スープに、唐辛子と、たっぷりのたまご、ニンニクと、挽き肉。この組み合わせ、担々麺とは全く別物なので、たしかにカタカナで「タンタンメン」と書いておくと良い気がする。そういえば、勝浦タンタンメンも系統としては、こっち系だな。ごまじゃない方のタンタンメン。
久々だったので、興が乗って卵、ニンニク、挽き肉を増量する「全ダブル」で。汗をかきつつ美味しくいただく。穴開きレンゲで、具材をすくいとっていくところに快感がある。
2019年11月10日(日) 無為。
目が覚めるとNくんは帰っていて、後片付けをしていると、粛々と眠い。
最近、すこしエネルギーが足りないというか、ややバーンアウト気味な感じがある。何もする気が起きない、という日が、しばしばある。決まっていた予定はなかったので、何もしない日になってしまった。サウナでも運動でも、何かしら起き上がって活動せねば、と思う。
結果的には休んでしまったけれど、精神的には休めなかった、みたいな日になった。
2019年11月9日(土) 宅飲み天国
だいたいは寝ればメンタルリセットできる性格なのだけど、昨日の一件をまだ引きずっていて驚く。それくらい、なにか堪り兼ねるものがあったんだろうと思う。
とはいえ、そんなことも言ってられない。この日はちょうどいい約束が入っていて助かった。ライター仲間のNくんと、サウナに行ってからの宅飲み。御徒町の[プレジデント]で3セットしっかりキメて水風呂も堪能。ここの薬草サウナ、好きです。
気づけば体調不良だったりでサウナも久しぶり。ふわふわとしたまま御徒町の吉池で買い物をする。吉池、なんとなく高級店のイメージが勝手にあったんだけど、品揃え豊富でお値打ちで最高の食料品店だった。宅飲みの買い出しはここで決まりだな。
でも、ふわふわしすぎていて、手持ちのポカリスエット イオンウォーターをかごに入れたままでレジへ通してしまったり、袋詰めで忘れていったりする小ボケを繰り返していた。すみません。
宅飲みは実に健やかで、最近の仕事から、おすすめの本の話まで、盛り上がる。我が家はリビングにも寝室にも本棚があるので、Nくんが気になった本を引き出し、それについてしゃべる、みたいなことがしやすかった。その場でNくんは何冊か買い、僕も勧められた本を買う。多和田葉子さんの日記をまとめた新書を買ったりした。
酒が割に進んでしまい、いい気持ちで、部屋の残りの片付けを一気にやってしまう。しまえていなかった漫画を、とりあえず揃えずに本棚へ突っ込む。漫画読みのNくんからまたまた進められて、『プリンセスメゾン』を大人買い。「いま、読むべき」との勧めだけに、すごく楽しみ。
夜中になって、Nくんは終電を逸してしまい、てきとうな時間まで。気づけば、彼に寝袋を託したまま、得意の瞬間睡眠芸で、ころんと眠る。
2019年11月8日(金) 気が滅入る
仕事関連で、ものすごく気が重くなる事件が起きて、夕方から夜にかけて、気が滅入っていた。
気が滅入りすぎて、しなければいけない仕事にも手がつかず、もう何もかも嫌になって事務所から家に帰り、美味しい親子丼を自分につくり、日本酒をすこし飲み、横になる。仕事の資料として買ったマンガをめくっているうちに、眠ってしまった。
Twitterで黒い気持ちを吐き出しそうになって、でもそんなことしたって悲しい気持ちを伝播させてしまう。今度のライターイベントで話すメモに「ライターはTwitterやめろ」と書き足した。
2019年11月7日(木) 続くライター不足
もくもくと仕事をした後で、ライターの先輩であるMさんとKさんと、赤坂で飲む。
Kさんおすすめのカツオのわらやきのお店が、活気があって、しかも美味しい。すごく良き。
たたきとも、ちょっと違う感じだ。中はしっとり生っぽいのだけど、外側には焦げ目の良い香りがうつっている。塩と、わさびと、生にんにくで食べる。めっぽう、うまい。高知の、濃いめの日本酒だったり、さらっとした淡麗の酒も、どっちも合う。たのしかった。
ライターの集いだけあって、仕事の話にもなる。まず、ライターは不足している。これはどこでも変わらないようだ。簡単にいうと、ビジネスの内容をしっかりこなせるライターが少ない。自分が受けきれない仕事を、振れる相手がなかなかいないのだ。そこで、ぱっと思いつく人に、仕事が集まるような仕組み。
現状は、この「書く」という仕事で食っていこうと思えば、まだ何とか余地はあるようだ。
今度、ライターさんが集うであろうイベントに登壇することになっているので、そこでも今回のお話で使わせてもらうつもり。
最後には「車を買おう」という話になっていて、今ならスズキのジムニーがおすすめ。
僕の知らないうちに、この軽自動車の進化がやばいことになっていた。めちゃくちゃ欲しい。フルフラットになって横になれたり、旅行には持ってこい。かなり揺れている。ただ、駐車場の問題だけが……いかんともしがたい……都市圏に住むことの悩みといえる。仕事しよう……。
2019年11月6日(水) 大学からの付き合い
仕事の〆切が重なったりして、夜遅くまで仕事し、すこし帰って寝て、また起きてすぐ仕事。どうにかこうにか納品して、家の片付けを進めて、夜には大学の同級生であるMさんとTさんと宅飲みをする。宅飲みなんて、自分の家なら何年ぶりだろう。
大学時代からよく飲んでいたし、ここ数年でも、ぽつぽつと会うくらいの仲なので、とても気楽だし、おもしろい。宅飲みの気楽さ、間柄の気楽さで、もうずっとゆるゆると楽しんでいた。
でも、実は話の中身は、それなりに(?)シリアスなことも多くて、すっかり自分たちも30代に突入したことを、ひしひしと感じた。あの20代の頃の、よくわからない未来に対しての、よくわからない自信みたいなものは影を潜めていた。
だけれど、変えられない僕らの、変わらない人柄みたいなものが、個々人をちょっとおもしろくしている。良い意味での諦めを、感じていた。
2019年11月5日(火) ドローンと未来
自宅までKくんが打ち合わせに来てくれる。引っ越しをして、部屋が広くなり、人を呼びやすくなったのは気持ちが楽でいい。コーヒーなど飲みつつ、2時間ほど。「いい部屋だね」と言ってもらえる。すなおにうれしい。この部屋からたのしいことを、増やしていきたい。
午後は芝公園まで行ってインタビュー。とっっっても面白かった。ドローンビジネスについての未来を聞いてきたのだが、近い将来、僕らの身の回りにはドローンが飛んでいるのが当たり前になるかもしれないという。まさにスマートフォンのようなレベルでドローンが普及する。
そして、ドローンの普及と共に、僕らの仕事の仕方についてもヒントをいただく。彼の言った「10年後にない仕事を想像する」という思考実験は、すごく勇気だ。記事、しっかりまとめていきたい。
2019年11月4日(月) 視点を移動する
特段に何をするでもなく北海道から水を飲みながら帰京。何もしなかったけれど、それはそれで、ゆっくりできたような気もする。食べるものも、空気も、雰囲気も美味しいので、とにかく北海道は行くだけでもいい。
ちょっとバイタリティが足りない感じはしている。せっかくの札幌、もっと元気を振り絞ってもよかったのではないか、と。ちょっと箱根あたりで、ほんとうにぼんやりするような時間を持つ必要がある気もしている。自宅でもいいのだけど。
帰京して、家の片付け。大学の後輩のNさんがやってくる。思い出話をぽつぽつとしていると、自分が忘れていたことあり、知らなかったことありで、気持ちが整っていった。
物事の捉え方は、やはり常に一面的ではいけない。たくさんの視点を知ることで「あっ、そういうふうにも言えるのか」と思えるだけで、今日まで続いていた重い気持ちが、ほんの少しだけ軽くなる。
それは視点の移動と言いつつも、結局は「言葉の力」でもある。ぼくはすこしでも、そういう人になれるだろうか。
2019年11月3日(日) 水を飲む
2日に到着後、機内販売のすだちハイボール(氷入りカップ+おつまみつきの魅力よ…)に始まって、勢いづいて、もう行きの電車からこんな感じ。
この焼きとうきびおかき、ちょっと甘くて、でも塩っ気もあってうまいんだよな。甘いとしょっぱいの無限ループを自分で体現する強いやつ。童顔で巨乳みたいなものですね。
今年も会えたねホップの香り……と思いながら水(※北海道ではサッポロクラシックは水になります)を飲みつつ札幌へ。ほんと水分補給がはかどりすぎる。
とはいえ、この日は特段に何をするでもなく、ホテルのまわりをぶらぶらしたり、山岡家の味噌ネギラーメンにバターとにんにく入れたのを堪能したりするくらい。
ぼんやりとiPhoneで撮ったこの写真、結構、気に入っている。
水を飲みすぎてしまって、せっかくだし、すすきのでも……とスマホを片手にしたままの体制で眠っていた。逆に行かなくてよかった。移動疲れってちゃんとあるものなんだろうなぁ。
明けて3日。キリンガラナを飲みつつ、新千歳空港へ向かう。
この日は、新千歳空港のポルトムホールで、テレビアニメ『波よ聞いてくれ』の先行上映会とキャストイベント。ご縁があって、ウェブサイトのイントロダクションなどを書かせていただき、今回のイベントでの原作再現朗読劇の台本もまとめたこともあって、自主的に休暇がてら観に行こうというのが、今回の札幌遠征の主旨。
いやー、めちゃくちゃ楽しかった。自分の書いたイントロダクション、主演のミナレ役の杉山里穂さんが読み上げてくれたのはご褒美でしかなかったし、朗読劇は文章だけの時よりずっとキャラクターが立体的になって、なるほど、書いたものを本気で読まれるとは、こういう感覚なのか……と体感できてよかった。
あと、シンプルに興奮した。朗読劇の言葉のほとんどは原作漫画から来ているので、僕の言葉ではほぼないんだけど、それでも自分でタイピングした文章だったし、読みやすさも考慮してアレンジも入れているので、言葉から実像が浮かび上がるような疑似体験ができた感じだ。
今回の体験を、次の脚本のお仕事にも生かしていきたい。ありがたいことに、そういうお仕事をいただいているので、がんばりたい。
すっかり満足してホテルに帰還し、それでも少しなにか特別な体験したいなぁ、と思っていると、札幌に移住したWさんが、ホテル最寄りの地下鉄で数駅行った中の島にある[エイトカリー]を紹介してくれる。
Wさんから「あいがけ」をぜひ、とのことで、メニューになくて、おずおずと頼むと、あっさりOKだった。メニューでいう1番と2番のルーのあいがけにハンバーグトッピング。これがもう、あんまりにも美味しくてびっくり。2番のスパイスカレーが特に好き。美味しいカレーは甘み、旨味、コクを、何層にも感じさせながら展開するからすごい。
ハンバーグも肉汁しっかりのたっぷり量感で実にセクシー。肉汁の流れたライスとカレーの合わさったところも美味。北海道といえばスープカレーだけれど、うーん……エイトカリーなら、スープカレーの一食分を置き換えるだけの魅力がある。
水も相まって、お腹いっぱいでホテルへ帰ると、お腹がいっぱいすぎて何もする気がおきなくなる。仕事……しなきゃ……と、うわ言をつぶやきつつ、ホテルの気持ちいいベッドでごろごろうにゃうにゃしている間に、眠っていた。せっかく札幌まで来たのに、と思いもするが、美味しいものを食べて気持ちよく横になる、というのも、それはそれで贅沢ではあるはずなので、悲観的にならないでおこう。
2019年11月2日(土) 羽田空港クエスト
お世話になっているT先輩のご自宅に伺って、お古のテレビなどをいただく。朝からカーシェアで運転したけれど、やはり「自動車筋」はあるものだな、と思う。数時間のドライブでも疲れる。短めに3時間で借りたカーシェアに、2時間50分で返した自分を褒めてあげたい。
時間が思い通りにいくと、ものすごい達成感がある。射精管理もその一つだろう。自分が果てるタイミングをうまく調整しながら相手とシンクロしたときほどの達成感はなかなか、ない。カーシェアぴったり返却は、まさにその疑似体験的な気持ちよさだった。
事務所に立ち寄って、原稿チェックの仕事をすると、盛大につまづく。うーん。なかなかクオリティが厳しい。クオリティが厳しい、というコメントを入れたりする。
想定の時間の倍以上を使ってしまい、あわあわと帰って、あわあわと支度して、羽田空港へ向かう。3日に、お手伝いさせていただいているアニメ作品のイベントが北海道で開催されるので観に行くことにしたのだ。いつの間にか、写真担当にもなったのでカメラ一式をよっこらしょして、さらにこの3連休の〆切もあるので、参考書籍を持っていく。服より本のほうが多いじゃないか。こういうときに電子書籍は偉大。
羽田空港は、なにやら改修中なのか、保安検査場も仕組みが変わっていて、職員も客も全員戸惑ってあうあうしていた。僕も、あうあうした。保安検査のためにレーンに乗せるときは職員が手伝うのに、済んだ荷物を降ろすところは誰も手伝わないことに疑問を覚える。目の前にいらしたマダムのお荷物に手を差し伸べつつ。
保安検査後のいつものパターンでは、浅草ヨシカミのカツサンドを買い、ビールかハイボールの缶を500mlで買うのが定番だ。それを楽しみにしてもいる。しかしこの2つは、実は同じ売店で揃わないのだ!離れた売店で、カツサンドを買い、ビールを買い、と往復するクエストが発生したのちにえられる甘美なのだ。
ところが!今日は施設改修なのか、酒は手に入っても、ヨシカミのカツサンドの売店が見当たらない!無駄に缶ビールと缶チューハイを持ったまま搭乗し、やけ酒を食らう。勢いで、機内販売で、美味しそうなチョコレートと野菜チップスを買って、ハイボール缶も買ってみる。Suicaで払う。
どれもこれもうまい。CAさんはにこにこと渡してくれる。あれ、機内販売、楽しいぞ…?
もしかしたら記事にするかも。安めの航空券で、機内販売をガチで楽しむ。このパターンは、いい生活技巧のひとつかもしれない!では、札幌へ行ってきます。
2019年11月1日(金) ファッション反対
気分のいいカレンダーの日。書類を書くときもまっすぐだけ引けば良いのでラク。
いよいよ引っ越しも済み、ちゃんとしていきたい日にもってこいのお役所参りだった。届けを出したり相談したり。世間ではチュートリアルの徳井さんが色々あって大変だったが、あれを見る限りは、自分が意外にがんばれてるんだと思ってホッとしたりもした。
徳井さんを下にするような発言だが、そんな意図はない。ただ、自分より「ままならない人」が切実にいることに、僕は自分が厨二病的な特権感を失い、ちゃんとしていかねばという思いに駆られるのだ。とにかく「ファッション」で何かをしたくない。
ただ、体調はぶり返して、夜の飲み会もドタキャンして、しくしくとすごす。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。編集者・ライター。「生活技巧」発行者。